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「損切り貧乏」の正体を、自分の記録から数字で突き止める

高値(上限)安値(下限)RANGE
相場の“状態”を読む — 本記事で扱う環境認識の型(売買シグナルではありません)

この記事のスタンス

先に断っておきます。この記事は相場予測を提供しません。「ドル円は上がる」「ここで買え」といった話は一切出てきません。

渡すのは道具と手順だけです。しかも今回扱うデータは、相場そのものではなくあなた自身のトレード記録です。あなたの記録を、あなたが集計し、あなたが解釈する。そのための診断環境をゼロから作ります。

なぜ自分の記録なのか。理由は単純で、「なぜ勝てないか」の答えは、次のエントリーには映っていないからです。次の一手をどれだけ考えても、繰り返している負けパターンは見えません。答えは、すでに終わった何十回分かの自分の記録の中に、数字として残っています。

「損切り貧乏」は、感覚ではなく数字で確認できる

「コツコツ勝って、ドカンと負ける」「損切りばかりで資金が減る」——多くの人がこれを感覚で語ります。でも感覚は、都合よく記憶を書き換えます。勝ったトレードは大きく、負けたトレードは小さく覚えているものです。

これを止める唯一の方法は、全トレードを同じ形式で記録して、後から集計することです。集計すると、たとえばこういうことが一発で分かります。

  • 平均利益と平均損失、どちらが大きいか(=リスクリワードが崩れていないか)
  • 「根拠を書けたトレード」と「なんとなく入ったトレード」で、成績に差があるか
  • 保有時間が長いトレードほど負けていないか
  • 特定の曜日・時間帯だけ成績が悪くないか

どれも、感覚では絶対に正確に答えられません。記録が集計できる形になっていて、初めて見えます。

大事なのは「後から集計できる形」で記録すること

多くの人のトレード日記が役に立たないのは、文章で書いてあるからです。「今日は焦ってしまった。反省。」——これは後から集計できません。100件たまっても、読み返して終わりです。

集計できる記録は、列(カラム)が決まっている表です。最低限、次の列があれば診断が始められます。

意味
date日付2026-08-14
pair通貨ペア等USDJPY
dir方向(買い/売り)long
pips損益(pips や 金額)-12
reason入った根拠を一言環境認識で上目線・押し目
had_plan事前に決めた計画通りか(1/0)0
hold_min保有時間(分)240

ポイントは had_planreason です。「計画通りだったか」を毎回0か1で残すだけで、後から「衝動トレードの成績」を分離して見られるようになります。ここが損切り貧乏の震源地であることは、とても多い。

記録テンプレ(そのままコピーで始められます)

まず作業フォルダと、記録用のCSVを1枚だけ用意します。

mkdir -p ~/trade-lab && cd ~/trade-lab
cat > trades.csv <<'EOF'
date,pair,dir,pips,reason,had_plan,hold_min
2026-08-01,USDJPY,long,8,環境認識で上目線の押し目,1,55
2026-08-01,USDJPY,short,-12,なんとなく戻り売り,0,190
2026-08-04,EURJPY,long,15,レンジ下限からの反発,1,80
2026-08-05,USDJPY,short,-9,焦って追いかけた,0,210
EOF

列の順番さえ守れば、ここに自分の実トレードを足していくだけです。1日1回、終わったトレードを1行書く。 これ以上は増やさないのがコツです。項目が多い記録は続きません。

動作確認(集計の入口だけ、無料で通しておく)

記録が「集計できる形」になっているかを、いちばん単純な集計で確かめます。勝率と、勝ちトレード・負けトレードの平均だけを出します。

python3 - <<'PY'
import csv
rows=list(csv.DictReader(open('trades.csv')))
wins=[float(r['pips']) for r in rows if float(r['pips'])>0]
loss=[float(r['pips']) for r in rows if float(r['pips'])<0]
n=len(rows)
print(f"件数 {n} / 勝率 {len(wins)/n*100:.0f}%")
print(f"平均利益 {sum(wins)/len(wins):+.1f} / 平均損失 {sum(loss)/len(loss):+.1f}")
PY

こう返れば、記録が診断に使える形になっている合図です。

件数 4 / 勝率 50%
平均利益 +11.5 / 平均損失 -10.5

勝率50%でも、平均損失が平均利益に近い(あるいは上回る)なら、資金は削られていきます。「勝率」だけを見ていると、この構造は絶対に見えません。

ここまででわかること

  • 勝てない原因は、次のエントリーではなく過去の記録の中に数字として残っている
  • 役に立つ記録は「文章」ではなく「列が決まった表」
  • had_plan(計画通りか)を0/1で残すだけで、衝動トレードを分離できる
  • 勝率ではなく、平均利益と平均損失ので資金の増減は決まる

ここまでが準備です。この先で、あなたのCSVを丸ごと診断する道具一式と、その読み解き方を渡します。

具体的には:

  • CSVを読み込んで、リスクリワード・期待値・「計画通り/衝動」別の成績・保有時間別・曜日別を一括で出す診断スクリプト(そのまま動きます)
  • 数字の読み解きガイド(どの数字がどの負けパターンを示すか。予測ではなく、自分の傾向の見つけ方)
  • Claude Code に記録を渡して弱点を言語化させるプロンプト集(コピーで使えます)
  • 記録を続けるための、1日30秒で書き終える入力の型

免責:本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言・売買推奨ではありません。金融商品取引法上の投資助言業として登録された事業ではありません。掲載する手法・ツールは分析を補助するものであり、利益を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。